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脱サラ、そして新規就農で掴んだ豊かな暮らし!

2023.03.20 UPDATE

脱サラ、そして新規就農で掴んだ豊かな暮らし!

酪農家牧之瀬 佳貴さん

たまたま見た北海道物産展の移住ブースで就農を決意!

関東生活から、180度転身し夫婦で移住した牧之瀬さんにお話を伺いました。

ライフスタイル転換に北海道就農を選択

―――まずは、出身や移住した経緯についてお話しお願いします。

出身は千葉で、前職は歯科医療機器のメーカーで働いていました。

移住した経緯は、前職では海外駐在や海外出張が多く台湾に1年間住んだりしていたのですが、そんな生活を送っていると家の中にいる時間がとても少ないんですよね。独身だったらよかったのですが、家族ができてライフステージの変化に伴い優先順位が変わっていく中で家族との時間を増やすにはどうしたらいいかなと考えていました。そんな中たまたま東京で北海道物産展が行われていて、そこで担い手育成センターのブースがあったんです。興味本位で話を聞いていたら居抜きという形で就農できることがわかり、農家という形で生活するんだったら通勤時間や出張、駐在などの勤務が無くなり家族との時間が取れるな、やってみる価値はあるなっていうのがきっかけです。

その後、2016年に移住し町内の農家さん2軒で修行し、2018年4月から独立し就農しました。

―――酪農の他にも様々な挑戦をされているとお聞きしたのですが、現在のお仕事の内容を聞いてもいいですか?

酪農なのですが、乳牛と肉牛どちらもやっています。肉牛はようやく最初に手がけてた牛が肥育して大きくなり、実際にお肉になって大阪や釧路の居酒屋などにちょうど卸し始めたような段階です。あと最近は札幌の企業と協力しながら加工品もつくり始めました。今は生ハムを熟成中で、一応2月末で熟成終わりになります。それとチョリソーも作っていて、こちらも生ハムと同じく今年の春には形になるかと。加えて、現在ワイン用のブドウも育てていて、まだ商品化できるような規模じゃないのですが、牛の方で一段落したらそちらも力を入れていきたいと思っています。

まとめると乳牛メインで肉牛もやりながら、加工品とブドウ栽培をやっている感じです。私たちで素材を生産し、企業に加工してもらったものを販売するという農商工の6次化で日々動いています。

あと、仕事ではないのですが「WWOOF」(https://www.wwoofjapan.com/home/index.php?lang=jp)という農業を手伝ってもらう代わりに衣食住を保証するホームステイのようなシステムがあるのですが、それの受け入れを積極的にしていて、月に1人単位で受け入れています。日本人より外国人が多くて、特にヨーロッパから沢山きてくれていて楽しくやっています。

東京時代とは真逆の家族団らん生活!?

―――実際に弟子屈町に移住してきての感想をお願いします。

町に買い物などに行くたびに知り合いに会ったり、気づけばご近所さんだらけになっていることもあります。東京で暮らしてたときと比べて家の周りが広くなった感じがします。

おせっかいじゃないけど、よくご近所さんとかに物をもらったりとかするんですよね。

これって東京だったらありえないことで、こうした地域や人との繋がりを感じられることは嬉しいです。

家族との時間も見直したくて移住してきたのですが、東京と比べて、家族と一緒に過ごせる時間は倍ぐらいありますね。

前は共働きでしたし、僕なんか仕事後、接待や上司と飲みに行ったりで終電で帰る生活をしていましたが、移住後は夫婦同じ仕事ですし一家で揃っている時間がとても多いですね。

2019年に今住んでいる一軒家を建てたのですが、なるべく区切りを少なくして一つの空間を大きくしたんです。

基本的にご飯は僕が作っているのですが、その間に妻には保育園に迎えに行ってもらったりして、子供たちが帰って来るとみんなでリビングのテーブルで食事をしています。

ありきたりな日常なのかもしれませんが、当時のまま40年以上東京で働き続けていたら確保できなかったであろうこうした時間を前にすると、夫婦で決めた『移住』という選択は本当に良かったなと思っています。

―――とても充実しているようですが、弟子屈町に来る前に何か心配だったことはありますか?

なかったです!住居とかも酪農研修生っていう形で最初は入ったので、農協からアパートが確保されていたので心配はなかったです。あと冬の時期に下見に来たおかげで冬の寒さや雪の量などはわかっていたので特に大きな心配はなかったです。

子どもの教育面も全く心配なかったです。田舎だからとか都会だからって無くて、できることって多分どこいってもできるんですよ。できなかったら自分がある程度教えればいいですし。僕は何か子どもがやりたいと思ったときに、お金がないから行けないよ、できないよっていう選択肢を無くしてあげるのが親の役目かなと思うので頑張って働いています(笑

新規就農のリアル

―――弟子屈移住と同時に就農したと思うのですが、スタートからどういう段階があって独り立ちになるんですか?

弟子屈町に関して言えば、基本的に酪農の研修中にも農協と国から援助がありました。農協は僕と妻、2人分の手当っていう形でお給料をもらえるのがあって、それと国から今は少し変わったかもしれないんですけど、僕の時代は150万円の補助がありました。実際に仕事辞めてこっちに来て研修してる期間中でもお金には心配しなくてもしっかり修行でき、就農まで手助けしていただきました。

あと、牧場を買い取る際に農家さんと直接交渉すると、どうしても自分不利になっちゃうので、買い取る際の交渉は農協が間に入ってくれて、機械の査定や牛の査定をしてくれるので、実際に買取価格が余計に高くなることがないようになってます。

前のオーナーとの繋がりやそのマッチングに関しては、三者三様ですね。やっぱり弟子屈町はそんなに新規就農した人はいなくて、ここ最近だと、僕が就農してから5年間まだないんですよね。でもやっぱり隣町や近隣のお話を聞くと、前のオーナーさんとうまくいかなかったりとかトラブルはちょくちょく聞いたりします。なのでその辺は新規就農する人の人付き合いの良さだったりに影響してくると思うので、一概に弟子屈町だからうまく就農できるというのはないんですよね。そこが一番難しいところだと思います。

―――最後に、弟子屈町に移住を検討している方に一言お願いします。

そうですね、移住を考えているのであれば、いい時期と悪い時期に来てみたら、多分町の印象って大体わかると思います。結構都会から田舎へ移住したい人ってたくさんいると思うんですけど、スーパーまでの距離がとか紙の上でやっぱり見ちゃうので、1回は実際に来てみて、町の感じや、コンビニの件数は3件で1個1個離れてるかもしれないけど車で行くとこんくらいの距離感なんだとか。そういうのってやっぱり来ないとわからないので一度は来てみた方がいいのかなと思います!